今年もレギュラーシーズンが終了し、すべての成績が確定しました。
昨年大変好評だった、各球団の生え抜き度を今年も調べてみました。
※生え抜き率のデータがTwitterに無断転載されているようです
データだけを無断転載されて独り歩きすると趣旨が伝わらないので、せめて引用元くらいは明記してくださいね。
計算方法
昨年と同様の方法で計算します。
特殊なケースとして、広島の新井貴浩選手や黒田博樹選手、藤川球児選手(阪神)、田中賢介選手(日本ハム)などの出戻り選手に関しては、生え抜き選手とは扱いません。
オリックスや楽天に所属している分配ドラフトでチームを移った選手は、移籍をしたわけではないので生え抜き選手として扱います。
国内独立リーグの出身者は生え抜きとして扱い、外国人選手であってもプロリーグを経験していない選手は、生え抜き選手として扱います。
投手の打撃成績は含みませんが、大谷翔平選手(日本ハム)のみ、投手と野手のそれぞれでカウントすることとします。
投手
投手については、投球回数を基準にします。
ただ、単純に投球回数を基準とすると、先発投手の貢献度が圧倒的高くなり、救援投手の貢献度が低くなるため、出場試合数も加味します。
投球回数 + 出場試合数 = 出場ポイント
石川歩 (ロッテ) 162 3/1(投球回数)+ 23(出場試合数)= 185 3/1
野村祐輔(広島) 152 3/2(投球回数)+ 25(出場試合数)= 177 3/2
澤村拓一(巨人) 64 3/1(投球回数)+ 63(出場試合数)= 127 3/1
秋吉亮(ヤクルト) 70(投球回数)+ 70(出場試合数)= 140
野手
野手については、打席数を基準とし、出場試合数を加味します。
この場合、代走や守備固めで出場した選手は計算に入らなくなるため、ここでも出場試合数を加味します。
打席数 + 出場試合数 = 出場ポイント
角中勝也 (ロッテ) 607(打席数)+ 143(出場試合数)= 750
中田翔(日本ハム) 624(打席数)+ 141(出場試合数)= 765
坂本勇人 (巨人) 576(打席数)+ 137(出場試合数)= 713
山田哲人 (ヤクルト) 590(打席数)+ 133(出場試合数)= 723
生え抜き率ランキング
投手
チーム | 生抜率 | チーム防御率 | |
---|---|---|---|
1位 (1) | 西武 | 91.44% | 3.85 (パ4位) |
2位 (5) | オリックス | 85.65% | 4.18 (パ6位) |
3位 (2) | 中日 | 81.11% | 3.65 (セ4位) |
4位 (6) | DeNA | 78.67% | 3.76 (セ5位) |
5位 (4) | 楽天 | 77.27% | 4.11 (パ5位) |
6位 (11) | 巨人 | 76.90% | 3.45 (セ3位) |
7位 (3) | 日本ハム | 76.43% | 3.06 (パ1位) |
8位 (8) | ロッテ | 73.94% | 3.66 (パ3位) |
9位 (9) | ヤクルト | 67.62% | 4.73 (セ6位) |
10位 (7) | 阪神 | 64.19% | 3.38 (セ2位) |
11位 (10) | 広島 | 59.20% | 3.20 (セ1位) |
12位 (12) | ソフトバンク | 59.05% | 3.09 (パ2位) |
昨年同様、生え抜き率の低い球団ほど成績が良い傾向にあります。
例外は、7位の日本ハムと、9位のヤクルトでしょうか。
日本ハムは、メンドーサ・バース・マーティンの外国人選手が活躍して生え抜き率を下げましたが、日本人選手はほぼ生え抜きという構成で、12球団1位の防御率です。
逆に、ヤクルトは生え抜き率が低い上に、12球団最下位の防御率となり、投手の育成・補強共に課題を抱えているようです。
全体的に順位の変動はあまり大きくありませんでしたが、大きく順位を上げたのは巨人です。
田口麗斗選手の躍進や内海哲也選手の復活など、良い材料もあった一方、ポレダ・マイコラスの両外国人選手・杉内俊哉選手など、昨年活躍した非生え抜き選手が大幅に投球回数を減らしたことが主な要因で、防御率もかなり悪化したことから、生え抜き率のアップが必ずしも良い傾向とは言えないようです。
広島の生え抜き率が低いのは意外なように感じますが、広島の日本人投手は移籍した選手が結構います。外国人選手もジョンソン選手をはじめ、ヘーゲンズ選手・ジャクソン選手が活躍したことにより、生え抜き率が下がりました。
今年の広島は、日本人選手と外国人選手がバランスよく活躍したことで、好成績につながったようです。
野手
球団 | 生抜率 | チーム打率 | |
---|---|---|---|
1位 (4) | DeNA | 81.16% | .249 (セ・4位) |
2位 (2) | 西武 | 79.42% | .264 (パ・2位) |
3位 (5) | 広島 | 78.00% | .272 (セ・1位) |
4位 (3) | ロッテ | 77.70% | .256 (パ・5位) |
5位 (7) | ソフトバンク | 76.04% | .261 (パ・3位) |
6位 (8) | 中日 | 74.34% | .245 (セ・5位) |
7位 (6) | 日本ハム | 74.31% | .266 (パ・1位) |
8位 (12) | 阪神 | 68.82% | .245 (セ・6位) |
9位 (11) | オリックス | 64.04% | .253 (パ・6位) |
10位 (1) | ヤクルト | 63.54% | .256 (セ・2位) |
11位 (10) | 楽天 | 60.88% | .257 (パ・4位) |
12位 (9) | 巨人 | 60.66% | .251 (セ・3位) |
昨年は、生え抜き率が高いほど成績もよい傾向にあったのですが、今年はそれほど明確な傾向はなくなりました。全体的に生え抜き率が上昇しており、活躍した外国人選手が少なかったことが原因のように感じます。
生え抜き率トップは昨年4位から順位を上げたDeNAでした。
DeNAは、移籍してきた日本人選手は多いもののあまり出場機会がなかったこと、外国人選手もロペス選手以外はあまり活躍できなかったこともあり、生え抜き率が上がりました。
筒香嘉智選手が完全に開花し、その他生え抜き選手の層も厚いことから、今後も野手は期待が持てそうです。
最下位の巨人は、移籍組の日本人選手が非常に多いのが特徴です。
外国人選手は軒並み活躍できなかったにもかかわらず生え抜き率最下位というのは、他球団では考えられない結果で、巨人だけの大きな特徴です。
今年大幅に生え抜き度が下がったのがヤクルトです。
オリックスから移籍した坂口智隆選手が141試合に出場し、バレンティン選手が復調しました。一方で、けがの影響などで、川端慎吾選手や畠山和洋選手が大幅に出場を減らし、生え抜き率を下げました。
生え抜き率が大きく上がったのは阪神です。昨年は45%ほどだった生え抜き率が68%まで上昇しました。
退団したマートン選手の穴埋めを期待されたヘイグ選手が活躍できなかったこともありますが、若手生え抜き選手を積極的に起用した金本監督の決意が見て取れます。結果はまだ出ていませんが、来シーズン以降楽しみな存在といえます。
まとめ
昨年に引き続き、投手・野手共に生え抜き度が高かったのは西武でした。
ただ、生え抜き度が高ければ結果が出るというわけではなく、日本ハム・ソフトバンクや今年の広島のように、生え抜き選手と獲得した選手がバランスよく活躍しないと、良い結果は出ないようです。
西武の場合、打者は結果を残していますが、田辺監督になってから3年間、チーム成績は芳しくありません。監督の采配にも問題があるのかもしれませんが、投手で2人くらい、活躍する非生え抜き選手が現れた時、チーム成績が上昇してくるのかもしれません。
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